三春の枝垂桜
2013年4月14日/リーダー:伊藤 松雄
- 滝桜ツアーガイド 伊藤 松雄
- 3月31日、金冠山山行車中のこと。「私の感では、来月4月14日に、三春の滝桜が満開になると思います。花見山は来年にしたいのですが」と提案し、了承された。「みなさんに、あんな強がりいって大丈夫…?
滝桜が咲かなかったらどうするの…!?」と、
いわれ、不安になった。確かにこの3年間、滝桜が満開になったのは4月下旬。しかも気象庁の開花予想は4月中旬とある。ネットで滝桜の様子を毎日うかがった(小心者なので、心臓はドキドキ)。
それから2週間後の4月14日。天気は久しぶりに晴れ、今日こそ満開日と期待していた。が、「あれっ、いつも早めに来ているОさんがいない」Оさん宅に電話した。「もう出て行きましたよ」。5分待った。
Оさんから「いま起きたので、キャンセルしてください」。
総勢30人で春日部を出立した。バス係は市川さん、会計をユリ子さんにお願いして、東北道を一路北上。桜前線は福島県にたっしていた。大きなすそ野を広げる安達太良山には雪が残り、
白と桜色のコントラストが車窓に大きく映しだされる。
思えば2年前の4月、東日本大震災のボランティアに向かうときも同じ光景だった。いまでは、大津波にくじけず、復興に立ち上がろうと懸命になっている一方、ここ福島では、原発事故で避難を強いられ、いつ故郷に帰れるのかと、目どもたたずに生きている人々がいる。
「智恵子はほんとうの空が見たいといふ。智恵子は遠くを見ながら言ふ。阿多多羅山の山の上に毎日出てゐる青い空が、智恵子のほんとうの空だといふ」
福島に本当の青い空がもどってほしい、と願うばかりである。被災者の方々は「私たちのことを忘れないでほしい」と誰もが語る。これからも被災者に思いを寄せて、行動しようとおもう。
バスは阿武隈山系のふところにわけ行った。民家の庭先には鯉のぼりが泳ぎ、みちのくに遅い春を告げている。梅、桃、桜がいっせいに咲きほころぶから三春。三春の町中に桜は1万本以上。
そのうち2千本が「日本さくらの名所100選」に指定された「三春のシダレ桜」。バスがついた駐車場には、ピンク色の半纏をまとった案内人の笑顔がはじけ、町中、梅・桃・桜と、この日の三春は花々が咲きほころぶ桃源郷。
さあーっ!お花見パレードのはじまりだ。名づけて「小鎌倉のシダレ桜ツアー」。丘陵地帯を歩き、神社仏閣のシダレ桜を愛でて、お花見宴会をする。
コース → 三春観光案内所 … 河野弘中銅像前 … 最初から急な登り・桜が見事。 … 「あっ!吉野山みたい」と、吉野の桜を見た方が叫んだ。吉野にくらべれば、スケールは小さいが、みちのくの吉野山と呼ぶにふさわしく、そして、のどかだ。 … 福聚寺(住職は玄侑宗久「中陰の花」2001年125回・芥川賞受賞)私は福聚寺に咲くシダレ桜がもっとも好き。 … 御免町 武家屋敷が点在。 … 法華寺 青空に映えるシダレ桜の色合いに酔いしれる。 … 八幡神社 後継ぎ桜の風格に圧倒されて感動 … 高乾(こうけい)院 藩主秋田公の墓所に咲くシダレ桜の絶妙なバランスにシビレる。 … 龍隠(りゅうおう)院 重厚な本堂に赤いオベベの6地蔵構図は、三春仏閣の代表格である。 … 水戸屋酒店 「地震でここにある全てのモノが倒れ、壊れて、もうおしまいと思ったのよ。そしたら、おばちゃんガンバレ!といって、高校生たちが助けてくれたの」買い物の計算より話が弾み、買ったビールが燗になるほど。が、旅は他火のこと、他火とは地元の方とのふれあいにある。見て、食べて、飲んで、温泉に入る、だけではなく、地元の方との会話にこそ、旅のだいご味がある。そういう意味で水戸屋酒店を訪ね、震災にメゲない(負けない)鴨原のおがっちゃんに会ったのだ。 … 県立田村高校 「コンニチワー!」ソフトボールの手を休め、大きな声で迎えてくれる女子高生。「気持ちがいいね~」と、言葉がとびかう。さすが田部井淳子さんの後輩だ … 「あれっ 道をまちがえたかな。でもこの風景を見よ!あれが安達太良山、あれが阿武隈川(ありゃ、見えね)… 光岩寺 「この急坂の上に何があるの」 桜だぢゃい。… 城山公園 シダレ桜の下で、飲む泡に浮かれて一句 「願はくは 桜の下にて 春死なむ」 まだ、いぎでー!)… 「旗持ちさんは誰?」「私ですが…」「お茶っこ入れ、やって!」えーっ?冗談はヨシコさんにして! ヨシコさんならぬ、知名さんが入れてくれる。他のメンバーにも(スミマセン)。ここのお城坂シダレ桜も見事、三春藩にアッパレー。 … 三春観光案内所 → 滝桜にむかう車窓から見る常楽院のシダレ桜は、夜ライトアップする名桜である(夜まで働かされて、かわいそう)。 → 滝桜 エドヒガン系ベニシダレザクラ。1922年10月、国の天然記念物。樹高13,5メートル、枝張り東西22メートル、南北18メートル。山梨県の山高神代桜、岐阜県の根尾谷淡墨桜と滝桜が、日本三大桜と呼ばれるが、滝桜が一番美しいと思う。また大地震にも耐え、春夏秋冬、それぞれに美しい滝桜は、被災者の心を癒し「奇跡の一本松」のように、復興のシンボルとなっている。
さらにはおととい(28日)、ブータン国の首都ティンブー中心部にある恩賜庭園に、滝桜の「子孫木」の苗木が植えられた。あのブータン国王夫妻が、2011年11月に、東日本大震災の被災地支援の一環として、福島県相馬市の桜丘小学校を訪問したほか、原釜尾浜地区の沿岸部で犠牲者に、ただひたすら祈りをささげる姿に、誰もが感銘をうけたに違いない。そのお礼として滝桜がブータンに渡ったのである。武器・戦争を放棄して「世界一幸福な国」にふさわしい桜、いつまでも咲き誇るだろう滝桜に、カンパーイ!!
その桜にふさわしいのが遊友の仲間。「被災地に少しでもお金を」と、水戸屋のおがっちゃんのところで飲食物を購入してくれた。また被災地支援の早池峰神楽に、23人もの方たちが観賞してくださるとは、ありがたいこと。
改めてお礼を申し上げて 「どんど晴れ」
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- 4月バスハイキング「三春の滝桜」に参加して/戸邉 茂雄
- 4月14日(日)、「三春の滝桜」を見に福島県田村郡三春町へ行きました。昨年に引き続き2年連続です。昨年は4月15日でしたが、まだ一輪も咲いておりませんでした。今回は8分咲き程度ということなので、昨年のリベンジです。
朝5時45分に千間台で13人、6時に春日部で16人の合計29人が31人乗りのバスに乗車して出発しました。実は30人の予定でしたが、小倉さんがバスの出発時刻に間に合わず29人になってしまいました。運転手は舘山さんです。10分程度遅れて出発した車は6時40分に久喜ICから東北自動車道に入り、9時15分に郡山JCTから磐越自動車道へ、9時20分に郡山東で降りて三春町へと向かいました。そして9時35分に三春町役場駐車場に到着です。
今回は三春まちめぐりをしてから最後に滝桜の見学です。9時40分まちめぐり開始です。駐車場の目の前に河野弘中の銅像があります。まずはそこから見学開始です。急な上り坂を上がると歴史民俗資料館があります。昨年入館しましたので今回は外の桜だけを見ながら通過しました。桜を見ながら進んでゆくと次は福聚寺です。立派な福聚寺桜がありました。更に進んでゆくと次は法華寺です。ここにも立派な法華寺桜がありました。続いて八幡神社の後継ぎ桜、秋田氏歴代藩主の墓がある高乾院の高乾院桜、秋田氏尊霊塔がある龍隠寺の龍隠寺桜を見て回りました。その後、酒屋でビール等を買い求め、宴会場所の城山公園に向かいました。途中には県立田村高校があり、グラウンドで女子がソフトボールの練習をしていて、大きな声で挨拶してくれました。その後、道を間違えるハプニングもありましたが、光岩寺の桜を見て、城山公園に到着です。酒屋で買ったビールが温くなってしまいましたが、シートを広げて宴会です。田中さんから差し入れの越乃寒梅や地元の地酒をたくさん頂きました。お酒ばかり飲んでいて、朝買っていったおにぎりは1つも食べないで持ち帰りになりました。出発地点の町役場駐車場には14時15分に戻りました。そしてこの後バスに乗り、滝桜の場所に向かいました。「三春の滝桜」は推定樹齢が1000年以上、高さ13.5m、根回り11.3mのベニシダレザクラで、薄紅色の小さな花を無数に咲かせ、その様が流れ落ちる滝のように見えることから「滝桜」と呼ばれている天然記念物に指定されている名木です。今年はほぼ満開の滝桜を見ることができました。たくさんの桜の名木を見学した後は再びバスの中で飲み続け、無事にせんげん台に着き、12名でいつもの反省会です。ここでもビールをジョッキ2杯頂いて22時帰宅となりました。今回は運動にはなっていないのに非常に疲れました。伊藤リーダーはじめ皆様、今回も楽しいバスハイクができました。ありがとうございました。